山形市の戸田屋正道さん

山形市にある戸田屋正道さん。

壽屋のある東根市から車で南へ40分ほど。県庁所在地ということもあり、
雪も少ない都会へ行くから!ということで気合いを入れていつも履いているドタドタの雪靴ではなく、ブーツに履き替えた私。

迎えてくれた戸田屋三代目健志さん。長靴でした・・・・笑

3人目のお子さんにして、初の娘さんが産まれたばかりの健志さんは、いつもながらなかなかのナイスガイです!

山形市内の昔から市街地、小性町にある戸田屋さん。

店内は、いつ訪れても格調高い雰囲気が漂います。

今回「おうちでおひな祭セット」に入るのは「菜の花しぐれ」です。

菜の花しぐれは、卵の黄身を練り込んだ餡に茹でた菜の花を細かく刻んで混ぜ込み自家製のこし餡を包み、強い蒸気で蒸し上げてヒビ割れを入れたいわゆる黄身時雨をアレンジした創作菓子です。

卵の濃く深い味わいと菜の花のほろ苦さ、そして餡の甘さが三位一体となって、口の中でホロホロとほどけていきます。

春の訪れを一足先にお菓子で感じて頂きたく、毎年年明けとともに販売を始めます。 卵の黄身色に菜の花の緑、そして小豆の紅色が楽しい雛祭りに彩りを添えます。

戸田屋さんの工場内で「菜の花しぐれ」の最終工程の部分を見せていただきました。

自家製のこし餡を、卵の黄身と茹でた菜の花を細かく刻んで混ぜ込んだ外側の餡で包んでいきます。

思わずねんど遊びを想像してしまった不謹慎な私ですが・・・。

健志さんによりますと、これは菓子職人の基本の作業。この作業がスムーズにできるようになるまで一年はかかるんだそうです!

説明をしながらも、手は休みことなく動き続け、どんどんと出来上がっていきます。

菓子職人の手さばき。とても美しい動きに見とれてしまいました。

丸々と並んだ「菜の花しぐれ」は、もくもくと蒸気が上がる蒸し器に入れられます。

あまーい香りが工場内に漂います。

蒸しあがった「菜の花しぐれ」

「菜の花しぐれのひび割れは、時雨は降った雨の後になぞらえているんですよ。」と健志さん。

和菓子は文学的でもあるのですね。

戸田屋さんでは、可能な限り、産地・生産者が明確な厳選した材料を使用してお菓子作りをしていらっしゃいます。

経営理念には、

お客様に心の底から喜んでいただける徹底した菓子づくりと、お客様に「どうぞお幸せに」と祈りの販売をすることにより品性資本を蓄える。

とあります。

しあわせや喜びのそばにあるお菓子だからこそ、召し上がってくださるお客様のことを大切にという姿勢、私どももしっかり見習って参ります。

季節ごとのフルーツを包み込んだ大福や、和と洋の融合から生み出した「ドラトッツオ」の大ヒットなど、話題に事欠かないお菓子やさんです。